個性化と共生:価値の多様化とその包摂

インターネットやSNSの普及による社会の指数関数的な変化は、人を「〇〇らしい」と類型化して理解していくことをますます難しくしてきています。その一方で、個性化は加速度的に浸透してきているのです。

その結果、現代社会は、何事につけ生活体験の様式や価値観における共通感覚の形成を難しくさせてきました。そして、人間関係は、ますます多様化・複雑化し、しかも錯綜化してきました。

それだけに、発達障害、LGBTQ、移民問題なども急速な社会変動の中で顕在化してきた問題であり、個人病理の問題として捉えるのではなく、心理社会的問題として捉えていくことが大切といえるのです。

価値の多様化・多元化の激しい変動社会にあっては、その場その場に応じて自己を使いわける人を増加をさせています。現代社会では、かつて大人の象徴のように語られた自我同一性の確立の課題ではなく、むしろ、社会的文脈によって臨機応変に使い分けられる複数化する自己を柔軟に形成することが求められています。

多面化・多様化する社会を映すようにして多面化する自己自身、多様化する自己自身を、全体的に一自己として俯瞰的に包摂し統合できる力を個人も社会も持つことが、共生社会を生きるためのサバイバル法になりつつあるといえます。