倫理(11):対人援助職の倫理

対人援助の立場にある人は、人は人を操作し支配することはできないと言う倫理をもつことが重要です。一見、当たり前の倫理に思われますが、この倫理がいとも簡単に破られてしまいます。

特に被支援者が支援者に幻想的な理想像を投影し、支援者がその幻想的理想に応えようと救済者幻想に陥るときに破れてしまいます。

ホロニカル心理学では、対人援助職は、“こころ”の専門家ではなく、“こころ”が専門家と考えます。

“こころ”は、苦悩をもたらす源ですが、苦悩を乗り越える力の源でもあります。被支援者の抱える生きづらさを解決するのは支援者ではなく、被支援者と支援者が生きづらさを共有し、共創的関係の中で、より生きやすい人生の道を発見・創造することのできる“こころ”の創発力によるのです。

そして被支援者がほどよい共創的体験を内在化し、いずれ支援者の元を離れていけるように支援する姿勢が支援者に求められる倫理といえるのです。