支援者に求められる態度

被支援者の抱える生きづらさをあるがままに受け止めるためには、支援者自身があるがままの自己に開かれた態度に常に心がけていることが大切です。

自己に開かれた態度とは、ホロニカル心理学の用語を使って説明すれば、支援者自身が自己と被支援者との一瞬一瞬の出あいの不一致・一致直接体験を支援者の我(現実主体)があるがままに受け止めることです。

支援者が被支援者に対して、こうした覚悟をもつとき、被支援者のこれまでの自己と世界との出あいの不一致の累積による苦は、支援者と被支援者の出あいの不一致・一致の直接体験の繰り返しの中でも、一致された分だけ軽減します。

被支援者が一人で抱え込み苦しんできた自己と世界の出あいの不一致の累積体験が、支援者によって共鳴され、鏡映され、共有されるという思わぬ体験に変換されることによって、被支援者の自己と世界の関係のありよう自体に変容をもたらす契機となるのです。

被支援者にとっては、支援者との出あいによる苦の共有に苦の軽減だけではなく、支援者自身が自己と世界の不一致・一致の直接体験に対してとっている態度に触れ、その態度を取り込み内在化していく契機になっていくのです。