記録

被支援者の自己と世界の出会いの内的世界と外的世界をめぐる時々刻々の直接体験の変化の過程を、評価したり、批判したり、解釈したり、特定の要素に分析したりすることなく、被支援者の現実感として、できるだけそのままの全体を拾い上げるとともに、そのときの支援者が観察した被支援者の印象をできるだけ簡略に記録するようなドキュメント的な面接記録がホロニカル・アプローチの理想とするところです。

実はこうした記録を可能とするためには、被支援者の主観・客観を含む体験を被支援者の一つの現実世界として、そのまま了解していこうとする態度をとるとともに、一方では、被支援者に同一化することもなく、ほどよい距離を保ちながらも揺るぐことなく伴走していく態度を貫き通すことが必要になります。

こうした被支援者へ一貫して伴走する意志を持った支援者の態度が、被支援者との共創的俯瞰を可能とするのです。そしてやがて共創的俯瞰の体験の意味が被支援者への観察主体の態度の内在化を可能とし、適切な自己の自己組織化を促進します。