意識は、意識それ自体があるのではなく、常に「何らかの対象についての意識」であり、志向性を持つことを明らかにしたのは、フッサールにはじまる現象学です。
ホロニカル心理学でも意識は、観察する意識の主体と対象となる観察対象という関係性の中で、はじめて把握されると考えます。
ホロニカル心理学の視点で考えると、意識の志向性は自己組織化のプロセスに深く関与していると言えます。意識は単なる観察者ではなく、世界との相互作用を通じて絶えず再構築される動的な現象です。この過程では、観察する主体と観察対象が固定された関係にとどまらず、多層多次元な構造として共鳴し合います。この相互作用を「縁起的包摂関係(ホロニカル関係)」と呼ぶことができます。
さらに、意識は単に外部環境を反映するだけでなく、その環境を再解釈し、創発的に新しい可能性を生み出す力を持っています。この観点から、意識の志向性は単なる方向性の設定だけではなく、可能性を広げる創造的なプロセスとして捉えられるべきです。このプロセスにおいて、私たちの「自己」は固定的な存在ではなく、むしろ変化し続ける流動的な存在として理解されるべきです。