“こころ”とは別に客観的世界が存在するのかという問いがあります。
ホロニカル心理学では、客観的世界は“こころ”とは別に存在することはできないと考えています。“こころ”の働きに関係なく存在する客観的世界とは、むしろ人が創りだした知的な概念と考えます。
実在する世界とは、自己と世界が同時に生成消滅を無常に繰り返す出来事の世界であり、“こころ”の活動と共にその世界が創出され続けていると考えます。
自己と世界の区別なき無境界の世界が、自己が自己という単位体として自己を自己組織化すると同時に、自己以外を非自己化した対象世界と考えています。自己が自己と世界との一致による無境界を破り、自己と世界の関係が不一致となる一差異こそ、自己がかけがえなき自己を自己組織化する契機となるといえるのです。ユクスキュルの環世界概念からすれば、昆虫のアリが見ている世界と、私が見ている世界は異なるのです。それぞれの身体という単位を持った自己が、自己及び世界の関係が意味のあるものになるように、瞬間瞬間行為的直観によって生きていると考えられるのです。自己が自己たらんとすることは、自己にとってのユクスキュルの提唱した環世界をそれぞれに定義することと考えられるのです。
私が私ではあることと、私の世界は瞬間・瞬間に創出され続けている出来事の世界が実在する世界といえるのです。