ホロニカル・アプローチの特徴

熱田神宮のカメ

私たちが直面する悩みは、しばしば精神医学的な専門用語によって様々な名が与えられ、診察室や面接室で特殊化した対応が求められるようになってきています。しかし、このような状況は、危険をはらんでいます。個々の悩みが単なる個別の問題としてのみ取り扱われ、その背後にある広範な人間性や社会性が見過ごされる可能性があるからです。

ホロニカル・アプローチでは、診察室や面接室による支援ばかりではなく、より生活現場に近い領域での支援も重要と考えています。しかし、そのためには、当事者の多様な潜在的ニーズに対応するための統合的なアプローチが必要になります。ホロニカル・アプローチでは、内的世界と外的世界の両者を包括的に扱います。これにより、従来の支援者と被支援者の関係の垣根を超え、共創的なアプローチの探求が可能となります。

共創的関係の構築のために、ホロニカル・アプローチは、“こころ”の深層から、身体、関係性や社会に至るまで、自己(部分)⇔世界(全体)の関係を自由無礙に俯瞰しながらアプローチすることを重視します。こうしたアプローチは、生命力の溢れる情感をともなった“こころ”そのものの体験を扱っていく心理社会的支援に関する理論および技法となります。

このような視点から見れば、“こころ”の悩みは単なる個別の問題ではなく、自己と世界との関係性の中に位置づけられ直されます。