ホロニカル・アプローチによる協働的な問題(課題)解決

ホロニカル・アプローチでは、支援者は、専門的知識に関して精通していない被支援者に対して、問題をアセスメントし、問題を定義する専門家として振る舞う姿勢をとるのではなく。被支援者と共に被支援者に生きづらさをもたらしている問題の再定義を無限の俯瞰によって共同研究的にし続けていくような協働関係作りに専念します。グーリシャンとアンダーソンの「言語システムとしてのヒューマンシステム(1988)」の論文にも同じような視点の重視がみられます。

被支援者と支援者が対話の中で不一致・一致を繰り返しながら、問題の再定義と問題解決の道を協働して発見・創造していくのです。この時、対話とは、言葉を介した会話だけではなく、非言語的なコミュニケーションを含みます。

被支援者の変容とは、被支援者と支援者の開かれた対話の中で成立するのです。

また心的変容は、支援者によって設定された未来の目標に向かって、被支援者が努力し、支援者がそれを支えるのでなく、過去を含む今の問題の再定義と新しい問題解決方法の発見と創造によって、「今・この瞬間」に、自ずと未来が拓かれてくるのです。

心的な変容とは、問題を生み出す原因があって、その原因を取り除けばよいというような因果論的思考では対処できません。むしろ問題を抱える人を取り囲む人たちとの相互主観的な対話、間主観的な対話の中で、結論が必ずしもひとつにまとまらなくとも新しい視点や方法が発見され続けることによってもたらされるのです。