実在とは:一即多・多即一

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「実在の根本的方式は一なると共に多、多なると共に一、平等の中に差別を具し、差別の中に平等を具するのである。而してこの二方面は離すことのできないものであるから、つまり一つの者の自家発展ということができる。独立自全の真実在はいつでもこの方式を具えている、しからざる者は皆我々の抽象的概念である。」とは、西田幾多郎が、「善の研究」の第5章の「真実在の根本的方式」での論考です。

ホロニカル心理学の視点からも、一切合切実在するものならば、すべて対立しながらも、他方で統一されていると考えています。しかも、一切合切の多なるものとは、一なるものの瞬間・瞬間における無限の分化発展と捉えることが可能です。

このパラダイムは、a,b,c,d,・・・のすべては、それ自体で独立して存在しいるわけではなく、時間的にも空間的にもa,はa以外のb,c,d,・・・など、他の多との重々無尽のつながりの中にあって存在していることを意味します。「今・ここ」という瞬間の出来事にこそ、過去が包摂され、未来への期待が包摂されながら絶えず生と死の世界が時々刻々と展開しているといえるのです。

こうした根本的な実在に気づきだすと、私という個の存在も、私の意思でもって生きているというよりも、他の多との複雑な絡み合いの中で、世界内存在として唯一かけがえなき存在として生かされていることに目覚めていきます。