
生命とは、単に生まれては消えていく個別の存在だけに限定されるものではありません。それらの個物を生み出し、変化させ、再び消滅させるような動的で創造的なプロセス全体を含むものとして捉え直すならば、宇宙そのものが「命の働き」によって自己組織化されていると見ることができます。
「今・この瞬間・瞬間」が絶えず変容し続けているという現実こそが、生命の本質的なありようを映し出しています。この変化の連続性は、単に生物的な生命に限らず、あらゆる存在の根底に通底している働きともいえるのではないでしょうか。
たとえば、石のような無生物でさえも、時間と環境の影響を受けながら風化し、侵食され、熱や圧力、化学反応によって変容し続けています。それらの変化は断続的ではなく、むしろ連続的であり、静止しているように見える物質も、実は常に動的な過程のただなかにあるのです。
さらに、量子力学的視座から見ると、物質を構成する粒子や原子は、確率的な揺らぎや相互作用のなかで絶えず状態を変化させており、「固定された物質」というイメージはもはや幻想にすぎません。物質とは、実体というよりも、形なき働きが一時的に表出した現象だと理解することができるのです。
このように、命とは、個々の生命体に閉じられた現象ではなく、宇宙に内在する創発的かつ生成変化的な働きそのものであると考えることができます。生命の定義を広げることによって、私たちは存在そのものに対する理解を深め、より包括的な世界観に開かれていくことができるように思われます。