
支援者には、被支援者と生活の場を共にしないことを重視する立場と、共にすることを重視する立場があります。前者の立場の支援者は、被支援者との関係が表層的な日常レベルを超え、深層レベルにおける深い非日常的な関係を形成することを重視します。このため、限定された支援の場以外での日常的な関係を持たないようにし、お互いに生活の場まで踏み込まないように注意を払います。
一方、後者の立場は、支援者が被支援者の生活の場に参入し、共に生活の場自体の変容を試みようとします。被支援者を生活の場から一時的に離すことで自己組織化を支援する前者の立場に対し、後者は支援者自身が被支援者の生活の場に共に居る中で支援を行います。これにより、支援者と被支援者、周囲の関係者が協働し、生活環境の適切な変容を促進します。
前者は支援者がいる面接室や診察室に被支援者が出向く形で実施され、後者は支援者が被支援者の生活の場で支援を行います。アウトリーチ的な支援や、学校や施設など生活の場における支援も含まれます。
同じ支援でも、場の違いにより支援内容や効果が異なります。しかし、支援の場の違いによる支援内容とその効果に無頓着な支援者が自分のアプローチを批判すると、現場は混乱します。
ホロニカルアプローチでは、日常的な生活の場における支援と非日常的な場における支援の優劣を争うことなく、両方が被支援者の変容にどのように影響を与えているかを包括的に扱います。場の違いを含む統合的アプローチによる包括的な支援を構築します。