自己にとって世界とは、私たちに死を迫り来る存在といえます。しかし自己は、対立する世界そのものから世界内存在として生まれという意味では、自己はもともと世界に含まれるといえます。
また世界も無(空)の揺らぎや矛盾から誕生したと考えられるならば、自己も世界も無に含まれるものとしてあると考えられます。自己と世界は不一致となって対立すると同時に、合一し同一の関係にあるといえるのです。
自己と世界は、せめぎ合いながら、自己は世界を自己に包摂しようとし、世界もまた自己を世界に包摂しようとしながら自発自展しているといえるのです。
自己の生と死をめぐる超克と悲哀は、そうしたせめぎ合いを意味しています。こうした人生の喜怒哀楽に、自己と世界が存在する意味の根源が問われることになります。