
人は、自分が被害者・犠牲者であると信じて疑わない時ほど、実はそれと同時に、自分が加害者・迫害者でもあることに無頓着になってしまうものです。その逆もまた言えます。
自分の被害者性・犠牲者性を強く意識している時は、自分自身の加害者性・迫害者性が意識のスポットから周辺化されてしまい、自分の加害者性・迫害者性ばかりを意識している時は、自分自身の被害者性・犠牲者性が周辺化されてしまいがちなのです。
被害者(犠牲者)/加害者(迫害者)関係は、複雑に絡み合っています。善/悪をめぐる複雑な対象関係を、誰もが自分自身に内在化しています。しかもそうした善/悪をめぐる内的対象関係を知らずのうちに、人は、すぐに外的対象関係に投影してしまうのです。この扱いがとても難しいのです。