真の自己(2):一般性と個性を共にもつ

アリストテレスは、主語となって述語とならないものを個物としました。
ヘーゲルは、自己を個物とし、普遍的な絶対精神との関係で弁証法的に捉え、自己を絶対精神の発展として捉えました。

西田幾多郎は、ヘーゲルの弁証法を取り入れつつ、真の自己は、一般者であるとともに個物とし、一般者と個物の相互限定として捉えました。

ホロニカル心理学も、真の自己は、一般性をもつとともに個性をもつと捉えます。

ホロニカル心理学の視点から見ると、真の自己は「部分と全体が互いに包含しあう存在」として捉えられます。すなわち、自己(個)は自己を超えた全体(一般性)の中に位置づけられ、全体の中に自己が含まれるだけでなく、自己そのものが全体を包含する要素でもある、と考えられるのです。この関係性は、華厳経で語られる「一即多・多即一」に例えられ、「個性と一般性が相互に作用し合うホロニカルなつながり」として説明されます。

 

参考 「西田哲学」演習 黒崎宏 春秋社 p98-99