内省は、自己自身を対象化して、ただ知的に反省するだけでは、何ら自己の変容は生じません。深く反省し深く考えるとは、罪深き・悪行だらけの自己を実感・自覚し、これまでの自己を否定して脱統合しながら、新しい自己に向かって創造的に生きることといえます。
ホロニカル心理学の立場からは、この内省は「関係の場」における相互生成的プロセスの一端として位置づけられます。つまり、内省とは単なる個の内面作業にとどまらず、他者や環境との交錯の中で喚起される「関係の揺らぎ」を媒介にして生まれ出る、自己組織化の再編成の契機なのです。
そこで起こる自己否定や脱統合は、壊すための否定ではなく、「いま・ここ」における自己の限界に対する応答であり、より拡張された自己としての再構築――つまり、“壊れつつ創られる”自己――としての生成にほかなりません。このように、内省とは“個”の営みであると同時に、“全体”との呼応の中で展開される、共鳴的変容のプロセスといえます。