福祉心理臨床

福祉心理臨床は、既存の心理療法に関する理論や技法をそのまま応用すれば対応できるような領域ではありません。むしろ既存の理論や技法で対応できる以前の課題として、被支援者の自己や世界に対する基本的信頼関係づくりなどの根本的テーマへの対応が必要になります。しかも問題は、多層多次元にわたって錯綜しながら社会情勢に応じて刻々変化するため、常に実践現場にあった創造的、かつ柔軟、かつ統合的なアプローチの探究が求められます。ホロニカル・アプローチは、そした統合的アプローチのひとつです。

こうした福祉心理臨床領域の現実は、言語面接を中心とした対面面接で対応可能なクライエントを対象として、治療構造論を展開してきた非福祉心理臨床の専門家からすれば、非構造的で、非臨床的で、非治療的で、専門性が低いと評価しがちです。が、しかし実態は真逆であり、もっとも高い統合的な専門性を必要とする領域といえます。