クライエントが自ら実感・自覚していない心理に対して、専門家と称する人が分析や解釈を行うことによってクライエントの自覚を促すことがあります。このときクライエント自らが専門家による分析や解釈に腑に落ちるところがあるならばよいのですが、クライエントが専門家が言うのだからきっとそうなんだろうと思い始めてしまうと、それはもはや洗脳と区別がつかなくなります。
こうした専門家が権威ある人とされると、その弟子もまた、より権威ある高名な先生のいうことだから自分の理解が不足しているというパターンを形成し、一つの教団のようなものをつくることになります。すると自分は無知かもと不安になったクライエントや弟子が権威あるグルの元に参集することになるわけです。
権威ある人が言うのだからきっとそうだろうと、実感・自覚のなきところを、権威ある人に権威ある人の言葉で解釈されると、私たちは権威ある人に盲目となり、主体を奪われてしまいます。