自傷行為

リストカット、摂食障害性化行動、アルコールや薬物への依存などの自傷行為や自己破壊的行動の背景には、自己制御困難さを伴った耐え難き心的苦痛や無力感にも対して、むしろ意識的に自己制御可能な痛みに変換することによって、和らげようとしているという知らずのうちの意図が散見されます。

こうした行為は、ホロニカル・アプローチの視点から見ると、個体が「いま・ここ」で崩れ落ちそうな自己の統合性を、最小限のかたちでも保持しようとする緊急的な自己調整の試みとして理解されます。すなわち、外界との関係性が断絶し、内的世界が混乱しているとき、本人は“痛み”という即時的で把握可能な刺激を媒介として、自己の境界を再確認しようとするといえます。