「一寸横道にはいるが、私は、世界は歴史的世界を根抵にして考えねばならぬと思う。現実に働く世界から出立しなくてはならない。 現実に働く世界は歴史的な世界で、其処から自然科学も考えられるのである。それは、作るものが作られたものに作られる世界であって、作るものが作られたものに作られてゆく、というようにして動いてゆく世界である。そういうようにして動いてゆくのが歴史的現実の世界である。だからして世界の根抵となる世界は歴史的世界で、それは創造的世界である。創造的世界と言うと何か宗教的のものに考えられてしまうが、しかし決してそうではない。物理学者はそうは言っておらぬが、私の考えから見ると物理学的世界も創造的世界というものになり、歴史的世界が本当の世界だということに、今日の物理学なども段々なってゆくのではないかと思う。」
こうした創造的世界の捉え方は、ホロニカル心理学に強い影響を与えています。
<参考文献>
西田幾多郎講演集 田中裕編者 2020年 岩波書店,p221