
心理社会的支援の効果は、単に医学的な症状の消失や障害の軽減の有無にとどまるものではありません。むしろ、支援を受けた当事者自身、そしてその周囲にいる人々が、支援を受ける以前と比べて「より生きやすくなった」と実感し、日常生活の中で幸福感を実感・自覚できるようになったかどうかが、効果の重要な指標となると思います。
ここでいう「生きやすさ」の実感には、当事者が自らの人生において“主人公”として主体的に生きているかどうか、という視点が欠かせません。すなわち、周囲の人々に対して一方的に依存したり、受動的・他律的な存在にとどまるのではなく、自らが問題解決の主体となり、生きている価値を当事者および身近な人々との関係の中で発見し、創造していけるようになることが、心理社会的支援の本質的な成果であると考えられます。
このような視点に立ったとき、支援の評価は「どれだけ症状が軽減されたか」という静的な指標ではなく、「当事者がどれほど主体的に自らの人生に関わるようになったか」「幸福感をどれだけ実感・共有できるようになったか」という動的かつ関係的な変化に基づいて行われるべきと考えます。