頑固な苦悩の扱い方

AIで作成

頑固な苦悩とは、ホロニカル・アプローチでは次のような特徴があると見立てます。

・悪循環パターンによる問題解決手段から抜け出せない状態。
・苦悩をもたらす自己違和感ばかりに視野狭窄的になってしまった状態。
・観察主体がABCモデルでいうA点に固着するだけではなく、A点に固着する自己をさらに批判的・否定する観察主体が布置し、無批判・無評価・無解釈の立場からA点固着状態を俯瞰することができない状態。

頑固な苦悩の特徴をこのように理解するとき、頑固な苦悩からの抜け出し方のヒントを支援者は得ることができます。こうした頑固な苦悩からの脱出する支援の仕方をABCモデルを使って標準的な流れを順序だてて説明します。

1. 視野狭窄的になって固着している自己自身(A点)を、小物を使って外在化し、可視化する。
2. A点固着状態にある被支援者を、支援者が適切な観察主体(C点)の立場から無批判・無評価・無解釈立場から包むようにする。
3. 被支援者が、A点に固着する自己を不適切な観察主体から批判・否定的態度を示したときは、そうしたA点に固着し、かつA点に固着する自己を観察対象として否定する不適切な観察主体が布置する被支援者をさらにそのまま支援者は、無批判・無評価・無解釈の立場から包み込むようにする。 そして被支援者の観察主体にも、やがて適切な観察主体C点が布置するのを支援者は待つ
4.支援者と被支援者の協働的関係の中で、適切な観察主体C点が共創的に布置するようになったタイミングで、A点以外の出来事、できれば自己と世界の出あい一致した体験(ホロニカル体験:B点)の想起や構築を促進する。
5. 4までを繰り返しているうちに、被支援者は、A点固着度合いの頻度が減じるか、固着時間が減じるようになり、頑固な症状から自力で抜け出すようになる。

この方法は、ホロニカル・アプローチの基本ですが、これまでの様々な心理療法やカウンセリングに関する理論や技法のもつ意味を脱構築する中で創発された技法のため、従前のアプローチより、「頑固な症状に対する被支援者の態度」に著しい変化が確認されています。ただし、被支援者の自己意識の発達レベルの差違が出てきます。自己意識の発達段階が第4段階以上の被支援者の場合、1回~数回のセッションで可能になります。また3段階以下の人の場合でも数回で可能ですが、支援の場を離れ、支援者が不在になると観察主体も3段階以下に立ち戻ることが多く、面接も離れてもA点から抜け出す方法を身につけるまでには数ヶ月以上かかる場合もあります。

ポイントは、支援者自身が無批判・無評価・無解釈の立場から俯瞰ができるかどうかです。できない場合は、重篤な問題を抱える被支援者への適切な支援のためだけではなく、支援者自身の代理受傷、共感疲労、燃え尽きを防ぐためにもスーパービジョンや教育的自己分析を受けることが望まれます。