内的世界と外的世界を共に扱うホロニカル・アプローチ(1)

心理社会的支援では、内的世界と外的世界を共に扱うことが大切です。内的世界を扱う場合は、私が私自身(自己)について観察したり、分析したり、理解したり、内省したり、洞察することが中心となります。

外的世界を扱う場合は、私が私以外のものを対象として、観察したり、分析したり、理解したり、内省したり、洞察することが中心になります。

内的世界を扱う場合も外的世界を扱う場合でも、テーマはミクロからマクロに至る森羅万象が考えられます。

しかも自己と内的世界の変容は自己と外的世界の関係の変容に影響し、自己と外的世界の変容は自己と内的世界の変容に影響します。内的世界と外的世界を分けて考えることは、実際には困難といえます。しかし、私たちは、この現実を忘れがちです。そのため、内的世界ばかり扱っていると、すべてが自分の問題のように思えてきてしまいます。逆に、外的世界ばかり扱っていると、すべてが自分外の問題のように思えてきてしまいます。。

しかし、人の苦悩は、これは内界の何々の問題、これは外界の何々の問題というように、因果論的に単純に割り切ることができるようなものではありません。人の苦悩は、内的世界と外的世界の狭間で起きているのです。

人は、内的世界と外的世界との間の不一致と一致、矛盾・対立と止揚、分裂と再統合などが絶え間なく繰り返すところに生きているとホロニカル心理学では考えます。