生きた自然・生きた宇宙

ゾウリムシ(単細胞)

21世紀の科学は、地球を中心とした世界も、そして拡大してこの宇宙全体も、常時、生成消滅を繰り返している躍動的に自己組織化していく創造的世界であり、「生きた自然」「生きた宇宙」と考えるようになってきました。決してこれまで考えられてきたような機械論的世界ではないというパラダイムです。19世紀・20世紀の機械論的世界観から、新しい「生きた自然」「生きた宇宙」へのパラダイム・シフトが、哲学者や生命論的世界観に立脚する科学者からも提起されたのでした。

しかしながら、私たちが実際に生きている歴史的社会は、まだまだ古いパラダイムに支配されており、社会においても個人のレベルでも、深層レベルの次元では意識の表層とは随分異なり古いパラダイムがしっかりと深く根をおろしたままといえます。その結果、パラダイム・シフトは、社会ばかりではなく自己にとっても、死と生の再生の物語にも匹敵するとても苦痛を伴う作業となり、パラダイムをシフトできた人は、ごく限られています。その結果、現代社会は、新旧のパラダイムが錯綜したままであり、多くの人はパラダイム・シフトを図れぬどころか、旧パラダイムの世界にとどまりながらも、ひたすら社会だけが高度情報化の技術革新によって加速度的に変容する社会に哲学、倫理、思想の指針のないまま翻弄されてしまっているように思われます。

今こそ大切なことは、現代社会を生き抜くための支えとなる哲学であり倫理であり思想といえます。そしてやはりそれは「生きた自然」や「生きた宇宙」といった生命論的世界観のパラダイムに裏付けられたものになると思われます。