自己の発達段階の移行に伴う変性意識

 

通過儀礼

自己は古い自己から新しい自己に移行したり変容する時、しばしば心的危機に陥ります。古い自己にとって、新しい自己への移行や変容は、それまで馴染みのあった自己構造の秩序や自己組織の崩壊や破壊を意味するからです。古い自己にとっては、自己の変容とは、自己の死に匹敵するのです。古い自己が死ぬからこそ、新しい自己が再生されるといえるのです。新しい自己の誕生とは、それと同時に古い自己の死のプロセスでもあるのです。

激しい死と再生のドラマの展開は、変性意識状態をしばしば作り出します。変性意識状態になると、意識的な自己は、一時的に心的水準が低下したり、何かに憑依したり、肥大化したりしやすくなります。

新しい自己の誕生は、古い自己にとっては、より大きな自己への超越的な作業となるのです。こうした現象は、病理によって起きるというよりは、通過儀礼や秘教の儀式にも見られる現象と同じです。変性意識状態を適切にサポートすることができると、自己はより大きな自己へとその器を拡げていくことができます。