集団と目標

集団がある目標を設定するとき、2つの方法が考えられます。

一つ目は、あらかじめ誰かが目標を定め、集団に所属する各員がその目標の下位目標を定めていくという方法です。ヒエラルキーの明確な管理的な組織があると実現しやすい方法です。同じ意見や信念を共有できる場合には効率的な目標の達成が可能になります。

二つ目は、目標の創発自体を目的とした集団です。こうした場合は、ヘテラルキー的なネットワークによる相互刺激的な共創的構造の方が有効といえます。異なる意見や信念をもった者同士が集うようなの場合には、共創的な構造にした方がより創造的な活動が可能になると考えられます。

前者の場合は、ヒエラルキーの管理者が外我優位となって、外我が内在化しているホロニカル主体(理)を組織化のための基本的パラダイムとして定めることが重要です。場に所属する人たちは、そうしたホロニカル主体(理)をそれぞれの外我に取り入れながら、内我を制御していくことで、相互対立の激化を防ぎながら、一つの目標の達成に邁進することになります。

それに対して後者では、異なる意見と信念の錯綜する場の“ゆらぎ”を直覚する内我を活性化させ、それを外我がサポートする形で、外我がそれまで内在化していたホロニカル主体(理)の変容を促進することがポイントになります。