自己は、鏡のように外界をそのまま写すだけの受動的存在ではありません。
自己は、場所的存在です。自己は、場所的自己です。
場所的自己は、自己の誕生以前から場所に包含されていた歴史・文化的な矛盾を含む一切合切を自己に映し、一切合切を自己の内に抱え込みながら、その自己特有の自己を形成していきます。
しかも場所的自己は、自己と世界の出あいの不一致・一致の直接体験を通じて、一切合切の矛盾の統合を目指して、新しい自己や世界を絶え間なく創造していく能動的存在といえます。
自己は場所的自己として、あらゆる場所(世界)がもっている矛盾や対立を自分自身に映しとり、かつ自分の中に取り込み、抱え込んだ矛盾や対立が少しでも一致し統合されていく方向を目指しながら、矛盾・対立がうごめく世界との間が、少しでも一致する方向に向かって、自己及び世界を変容させていこうとするのです。