生命(5):生命の働きを実感・自覚できる人間

※「エス」「IT(それ)」は、2024.11.20以降、「それ(sore)」に統合されています。以下のブログは、統合前のものです。

 

一切合切は、絶対無(空)が絶対無自身を自己否定するという絶対的矛盾による生成消滅の出来事と考えられます。自己も絶対的矛盾の出来事として世界と共に創造され、絶対無とせめぎ合いながら絶対有としてあろうとして自己組織化していると考えられるのです。

ホロニカル心理学的では、絶対無(空)が絶対無自身を自己否定するという絶対的矛盾は、「エス」と「IT(それ)」の不一致・一致の繰り返しとなって、自己及び世界のが多層多次元にわたる重々無尽の世界となって自己の前に立ち顕れていると考えています。

自己と世界は、対立しながらもの同一の絶対無でもあるのです。絶対無の絶対的矛盾とは、究極の絶対無が自己と世界という絶対有でもあるということです。

自己とは、自己と世界の絶対矛盾的同一関係の働きを自己内省的自己言及的に自ら持つようになった自ら自己組織化するもののことであり、その働きを実感・自覚できる生命が人間といえます。

自己と世界の関係が絶対矛盾的同一関係にあることを実感・自覚する自己は、自己と世界の対立にあって、自己と世界がその場その場で一致する方向を自ずと希求します。そこに自己の主体感が創造不断に創発されます。

しかし人間の場合、自己が我の意識が誇大化・肥大化してしまうと、我の意思によって、むしろ自己自身及び世界が脅かされます。すると自己は我の意思に逆らって自己の主体感を取り戻そうと意志し、我に向かって反逆しはじめます。すると我は苦悩を避けられなくなります。逆に、世界が自己を圧倒しようとすれば、自己は主体感を世界に奪われ、我の意思は萎縮しますが、自己の意志はそのうち世界に向かって反逆しはじめます。

※絶対有は、可視化不可能な心的現象と可視化可能な物的現象から成ります。

※井筒俊彦(1986).創造不断;東洋的時間意識の元型.In:「井筒俊彦全集第9巻,2015.慶應義塾大学,pp106-185.