脳と“こころ”(11):深層意識と脳

2023.3.28山崎川

心理学で表層意識に対して深層意識という時の無意識とは、脳科学的には、人間において高度に発達した大脳皮質による理性的な思考の基盤となっている身体感覚的活動や情動活動を含むは虫類や旧哺乳類の脳の働きとの密接な関係をもっていると考えられます。こうした脳を含む肉体との密接な関係を考慮しない心理学は、精神と物質の二元論的な心理主義の落とし穴に陥ることになります。

といって深層意識をすべて物質的な活動に還元したとしても、そうした物理的現象の説明用語でもって、複雑な深層意識の特性を説明することはできないとホロニカル心理学では考えます。

深層意識は単なる物質的プロセスでも表層意識の単純な拡張でもなく、個と全体が相互に影響し合う「ホロニカルな関係性」の中で捉えるべきものとされます。この視点において、深層意識は身体感覚や情動だけでなく、他者や環境との関係性、さらには時空を超えた集合的な無意識とも密接に結びついているのです。

たとえば、は虫類脳や旧哺乳類脳の活動は、私たちが進化的な土台として受け継いできたものであり、それが現代的な理性的思考を支える基盤であると同時に、個々の存在を超えた集合意識の一部でもあります。この意味で深層意識は、個々の自己の枠を超えた「ホロニカルな自己組織化」のダイナミックな場として理解されます。

こうした視点を取り入れると、心理学における深層意識の研究は、単なる内的プロセスの探求から、他者や社会、さらには生態系全体とのつながりの中で意識を捉える方向へと広がります。この広がりが、個人の自己意識と集合的無意識を同時に深化させるための鍵となるのです。