“こころ”とは(65):誰のもの?

“こころ”とは、我のものでありますが、我のものだけでもありません。

ホロニカル心理学で考える“こころ”とは、自己内のものであると同時に自己超越的な働きをもつものと捉えています。

この実感・自覚にいたるとき、個としての自分は他者や世界との相互関係によって絶えず変容し続ける「開かれた自己」であると理解されます。ホロニカル心理学では、自己とは固定的な実体ではなく、多層多次元かつ流動的なホロニカル的存在として捉えられ、常に全体との共鳴を通して再構成されてゆきます。つまり、自律と依存、個性と関係性といった一見対立する二項は、より深層においては互いを条件とし合う補完的な力であり、適切な自己の自己組織化とはそのダイナミズムのなかで調和を発見するプロセスなのです。そのとき私たちは、創造とは孤立した意志の行為ではなく、存在の網の目のなかに生きる「共鳴としての創造」であることに気づいていきます。