場づくりの重要性とホロニカル・アプローチのもたらすもの

ホロニカル・アプローチは、被支援者の生きづらさを契機に、被支援者と支援者が共に適切な観察主体による共創俯瞰が布置するような作りに徹することによって、“こころ”の多様化と統合化の働きを活性化し、適切な自己と世界の自己組織化を促進します。

こうした場のもつ働きは、時間経過と共に被支援者自身の観察主体に内在化され、適切な自己の自己組織化を促進することを可能とします。

もし、被支援者の内在化の力が何らかの障害によって脆弱な場合にあっても、支援者は、被支援者を取り囲む生活世界が、共創的俯瞰作用を内在化するように働きかけることによって、被支援者の適切な自己の自己組織化を促進することができます。

効果をもたらすあらゆる心理社会的支援には、こうした共通点があると考えられ、さまざまな立場の差異を超えた包括的かつ統合的な支援を可能とする土台になっていると考えられます。

また、適切な観察主体による俯瞰の力は、自己意識の発達に伴って自由無碍の俯瞰に向かって深化していきます。