憤怒について

憤怒の鎮静化とは、社会的不正に対する正当な義憤に対して、相手の「主張の内容」や「痛み」に耳を傾けることなく、口調や態度、感情的なトーンだけを問題視することであってはならないと思います。

大切なのは、怒りを単に「静める」ことではなく、怒りを「俯瞰し、その意味を読み解き、創造的なエネルギーへと転換していくこと」です。

ホロニカル心理学の立場からすれば、憤怒とは、自己と世界との出会いにおいて生じた不一致や違和感が強く表現された現象の一つといえます。そのため、憤怒を抑圧したり否定したりするのではなく、その中に包摂されている自己と世界との関係性の意味を丁寧に読み解くことが重要です。

憤怒を俯瞰することは、憤怒を失うことではありません。むしろ、憤怒に包まれていた自己と世界との不一致の意味を発見し、そのエネルギーを新たな関係性や社会的創造へと転換していく営みなのです。