部分と全体のホロニカル関係(1)

菖蒲の花

生命は、ミクロからマクロに至るまで各部分が相互作用しあいながら重々無尽の複雑な秩序を形成し、部分の総和以上のシステムを自己組織化しています。

さらに部分の総和以上の全体もまた、マクロからミクロにわたってより複雑化しながら多様な部分の自己組織化に影響を与えています。

部分と全体、全体と部分の関係は、一即多、多即一の関係にあると考えられるのです。一なるものが、多となってより複雑化し多様化なものを自己組織化しているのです。より複雑化し多様化していく多なるものが、一なるものを自己組織化していると考えられるのです。

こうした関係が成立するためには、すべてを統合し秩序化していく働きがあるからと推定されます。ミクロからマクロに至るまで、部分と全体を統合し秩序立てていく一貫した働きがあると想定されるのです。

ホロニカル心理学では、ミクロからマクロに至るあらゆる多層多次元のレベルで、部分が他の部分や全体の働きを自らに映しとり、全体もまたあらゆる部分の働きを自らに映しとるようなホログラムのような働きがあるのではないかと考えています。部分の振る舞いは、他の全てとの関係によって決まり、全体の振る舞いもミクロからマクロに至るあらゆる部分の振る舞いによって決まっていると考えられるのです。

部分の中に全体が包摂され、全体の中に部分が包摂され、部分と全体が縁起的包摂関係(ホロニカル関係)を構成する働きが自己組織化するすべての出来事に通底しているのではないかと想定されるのです。