脳と“こころ”(8):物質現象と精神現象の不可分一体性

脳は、物からできたコンピューターになぞらえられますが、脳は活動している限り、ニューラルネットワーク自体が刻々変化しており、コンピューターのようにハードウェアが固定されていません。ホロニカル心理学では、“こころ”の活動は、こうした脳の活動と密接な関係にあると考えていますが、“こころ”の作用の可視化不可能な面が精神現象とされ、可視化可能性をもった面が物質現象とされ、両者は相対立しながらも不可分一体の関係にあると考えています。

また、ハードウェアが固定されているコンピュターが、将来、生命に満ちあふれる感性豊かで非合理的な面も自ら創発していくような“こころ”のような働きをもつようになるとは考えていません。ただし、記憶、認知的識別や論理的思考などでは、人間の“こころ”の機能に限りなく近づくか、場合によっては、人間の能力を超えることはあり得ると考えています。