強迫性について

「遊びたい」が、そのうちに「遊ばねば」となってしまう人たちがいます。「○○ねば」になると、遊ぶこと自体が、主体的ものから他律的なものになり、自由選択から拘束的義務に変質してしまいます。

理想の自分から、現実の自分を評価するようになり、今・現在の自分に、自己否定的、自己批判的になってしまうのです。「そうなれるといいな」という未来に向かっての理想が、未来の自己像が「○○せねば」となって、今・現在の自分を拘束するようになってしまうのです。

テストの結果が、50点の人が、100点満点を理想とするのは、いいのですが、100点満点でないと満足できなくなってしまって、たとえ70点を取っても、自己評価はall or notingとなり、あたかも0点のような気分になってしまうのです。

もともと強迫性を帯びやすい人は、過集中的で硬い思考傾向があり、拡散的で柔軟な思考が苦手です。ひとつのことに集中することで問題解決に役立つこともありますが、問題がなかなか解決しない時には、視野狭窄的思考を帯び、なかなか他の視点に切り替わらなくなってしまうのです。

そこでこうした状態に対しては、1つよりは、2つの中からの選択体験を増やし、その次には3つの中から1つを選択する体験を増やし・・と体験の幅と選択の幅を拡げていく体験をもてるようにしていくことが有効です。これしかないという選択肢からもっと沢山の可能性のある中から、とりあえず1つを選択するという柔軟な選択思考を育んでいくのです。