競争社会から共創社会へ

いい大学に入って、大きな安定した会社や公務員になって、社会のためになるような良い仕事をしなさい。そのためには、ちゃんと勉強してから遊びなさいと言われて育った昭和世代が沢山います。こうした生き方は、「大きな物語を目指しての競争社会」を生み出しました。

しかし、こうした生き方は、実は間違った神話ではないかと気づき始めた人が増えてきています。この生き方では、いつまでたっても楽にはならず、自由な遊び時間はなくなるばかりで、自分の思うような理想社会にも至らず、実感するのは心身の消耗ばかりというわけです。しかも恐ろしいことは、この事実に身をもって気づく人のほとんどが、実際に心身の病気や障害を体験してからというのが実態ということです。

すべては逆説です。誰かと張りあって競争し、トップになれるのは、いつもほんの一握りであり、ほとんどの人は、負け組になるになるのです。しかも情報化社会の競争は加速度化していますから、歩みを緩めたり、止めた途端に、スピード社会から疎外されます。競争は、常に犠牲者や負け組になるという恐怖と不安によって駆り立てられているわけです。

しかし気づきはじめたのです。もう誰も傷つけたくないし、自分もこれ以上傷つきたくない。そんな心境を持つ人が点在し始め、そしてその人たちが手を組み始めているのです。そうした人たちに次の言葉を送ります、「より生きやすい場所をみんなで共創しましょう」と。