無底の自己

心理学は、自己の自己自身に対する深き観想に基づくものでなくてなりません。しかし自己の底には、自己ならざるものとの出あいがあります。それは一般的には世界といわれます。

しかしこのとき注意しなければならないことがあります。自己の底で出あう世界とは、自己と不一致となって対立する非自己的存在でありながらも、自己がそこにおいてあり、自己をむしろ包むものでもあるのです。自己の底に世界があり、その世界に私たちは包まれているのです。

自己の底は、自己と世界が不一致・一致を繰り返しているに無限に開かれており、無底なる世界が自己を包んでいるのです。