真の自己(6):自己を生き、そして死ぬ

「真の自己」「人格の統一」とか言われるものは、ただ個人の自己実現を意味するのではなく、自己と世界を統一する宇宙の働きによって、自己を生き、そして死ぬということと考えられます。

ホロニカル心理学の立場から見ると、自己とは孤立した存在ではなく、常に他者や環境を含む歴史的世界との相互作用の中で生成される動的なプロセスです。つまり、自己は「個」としての輪郭を持ちながらも、「全体」としての宇宙的秩序に包摂されており、その両義性の中で自己が自己であることの意味が立ち現れてきます。ここで重要なのは、「自己の統一」とは固定的なアイデンティティの確立ではなく、むしろ変容し続ける自己が、宇宙的なリズムと共鳴することによって、一瞬・一瞬において「真の自己」として立ち現れるということです。自己の死とは、単なる生命の終焉ではなく、宇宙的な流れの中で自己が次なる形へと移行する契機でもあります。このように、ホロニカル心理学は、自己の在り方を「個」と「全体」の間にある創発的な場として捉え、そこにおいて人格の統一とは、自己が自己を超えて他者や世界と響き合うプロセスそのものだと考えるのです。