“こころ”とは(22):場としての“こころ”

ホロニカル心理学の考える“こころ”は、「場」です。「場」としての“こころ”が自己を通して一切合切を映し、「場」から自己と世界を含む一切合切の現象が立ち顕れています。自己にとっては、全一なる“こころ”が、そのまま重々無尽の世界です。このとき一切合切には、物理現象精神現象も含まれます。

「場」としての全一なる“こころ”は、それ自身では何かあるとはいわれないものです。すなわち「無」です。「無」といっても、「有る」「無い」というような相対的な「無」ではなく、「有る」「無い」を産み出すものですから、「絶対無」の「場」です。「絶対無」の「場」として全一なる“こころ”が、そのまま「相対有」の物理現象と「相対無」の精神現象として自己意識を発達させた人間によって識別されていると考えられるのです。

このようにホロニカル心理学の“こころ”は、心身二元論的に識別される精神現象としての「心」とは異なります。