共創的対話とは

ホロニカル・アプローチでは、<今日はどんなことについて、整理できることをお望みですか>など、被支援者自身が支援のテーマ自体を自己決定できる立場にあることを実感・自覚できるようなポジションづくりのための創意工夫を徹底的に追求しています。

そのため支援者が被支援者が気づいていないと思われるなんらかの重要な事柄に気づいたとしても、<○○さんの今までの話を聞いている限りでは、私はXXXと感じましたが(思いましたが)、○○さんは私のXXXというのを聞かれて、どのように感じ、あるいはどのように思われすか?>と、徹底して被支援者自身が自らの直接体験自己照合できるように創意工夫を凝らします。

「被支援/支援関係」が「共同研究的協働関係」になるようなフレームワークを重視しているのです。こうしたフレームワークは、不平等性を内包しがちだった対話から、「共創的対話」への変容をもたらします。そして「共創的対話」という新たな直接体験を自己照合の手がかりとして、被支援者は、より生きやすい新たな人生の道を発見・創造していく可能性を高めていくことができます。

より生きやすい人生の道への正しい答えなど、どこかにあるようなものではありません。たとえ、ある時、正しい生き方が発見され創造されたとしても、時の流れの中で、やがて風化し、むしろ生きづらさをもたらすものにさえなっていきます。しかし、被支援者と支援者の共同研究的協働の場さえあれば、誰でも、その都度、より生きやすい人生の道を発見・創造し続けていくことはできると考えられるのです。