原因探し

「いつも私のせいにする」と言って、親の因果論的決めつけ姿勢に対して、親の論理と同じように因果論的に「親のせい」にして反発する子どもに対して、<親は、いつもあなたが問題だと決めつけるのですね>と応答しつつも、<親が決めつける態度をとる背景には、何か親に影響を与えているものがあるのかなあ>と、親の論理とは異なる論理を提供することができます。因果論的論理から円環的縁起論へのパラダイムシフトです。

家族療法では、親子関係の悪循環パターンの源を、3~4世代までさかのぼって考える場合があります。すると時には、現在の親子関係に影響している世代間連鎖が明らかになったりします。現在の親子の激しい対立の源が、実は、もっと時代を超えた対立の影響を強く受けていたりすることも了解されてくることがあるのです。

大切なことは、親子の対立の悪循環を、もっと別の観点から俯瞰することができるように支援することにあります。

ホロニカル心理学では、心理社会的支援の対象となるテーマの多くは、たとえ小さな問題であっても、実は多層多次元にわたる複雑なテーマが包摂されていると考えています。原因は、思っているほど、単純ではないと捉えているのです。