宗教的次元

宗教的次元の覚醒は、人間レベルでの自己意識の適切な発達を必要とすると考えられます。

宗教的次元への覚醒は、宇宙を統一する働きに関する目覚めと、その力に対する畏怖からはじまります。

非有機物、植物や動物のレベルでは、宇宙の統一的働きに包まれていても、その働きへの実感・自覚は不可能と思われます。

現代社会は無宗教化していますが、宇宙統一の働きに対する覚醒や畏怖まで失ってしまうと、自我意識が肥大化し、人類に誇大感や万能感をもたらす危険があるように思われます。

自己超越的な働きへの恐れや畏怖を失って、我(現実主体)が自己超越的働きに同一化してしまうと、我(現実主体)は自己が唯一無二の独自の存在と錯覚し、誇大的万能感が強まり、軽躁的状態に陥ります。その逆もあります。我が自己超越的な働きに圧倒され過ぎてしまうと、我は自己の存在の無価値感や無意味感にさいなまれるようになり、抑うつ状態に陥ってしまいます。