共同研究的協働(6):ホロニカル・アプローチの共創的展開

子ども虐待の当事者(加害者・被害者)は、人生の歩みの中で、パターナリズム的な態度をとる人によって深く傷つき、パターナリズム的態度を内在化していることが多いのが実態です。その結果、当事者は、自己及び世界(他者を含む)に対して否定的な感情や認知を抱き、支援者にも強い警戒心を抱くことが稀ではありません。そのため信頼関係の再構築のためには、当事者が内在化しているパターナリズム的人間関係の支援者に対する投影や巻き込みを、きっぱりと脱統合するための創意工夫が必要になります。

こうした創意工夫の実践の中で自ずと培われてきた感覚を概念化したのが、ホロニカル・アプローチが重視する「共同研究的協働(共創)」です。