直接体験(20):一なる直接体験と重々無尽の多の世界

自己と世界不一致・一致の出会いの刹那、すなわち、あるがままの直接体験は、厳密には主観と客観が未だ未分化な段階の無意識的体験といえます。

しかし、一旦、観察主体がある識別基準(ホロニカル主体:理)で持って、直接体験を観察対象として何かを観察しようとした途端、自己の意識には、何か識別しようとする度に、その識別基準に従った重々無尽の世界が立ち顕れてくることになります。