絶対矛盾的自己同一(5):双面的にして同一

私たちは、矛盾を統一したところに同一を見ようとします。

しかし絶対矛盾的自己同一は、そうではありません。「相互に矛盾しあっているものがそのままで双面的に同一にある」とするのが絶対矛盾的自己同一です。哲学者西田幾多郎の中心的な概念です。西田の親友で仏教学者の鈴木大拙の「即非の論理」と同じとされています。

ホロニカル心理学では、“こころ”こそ、絶対矛盾的自己同一の論理があてはまると考えています。

絶対矛盾的自己同一の哲学的な核心は、矛盾し合う概念が対立のまま統一されるという点にあります。この観点をホロニカル心理学に応用すると、多層多次元に識別される現象の対立・矛盾はそれぞれが関係性の中で相互に補完し合いながら一体となるプロセスとして統合化が可能になります。この統合は、自己組織化の力を通して生まれるものであり、個々の経験がホロニカルな関係を構成しながら統合されていくことを意味します。

自己と世界の絶え間ない対話のを形成することで、自分自身の内面と外部の現実を越えた新しい自己認識が生まれるのです。このような視点は、人間の複雑な心理的葛藤や社会的な問題を解決する手がかりとなり、矛盾を受け入れつつその先にある成長と創造を見出す可能性を示します。