複雑系問題としての心的問題・心的症状

自己意識の発達を論じる中で発達段階の移行を、「カオスの縁」の理論や、複雑系の科学の概念によって説明することができます。

秩序と混沌の間の“ゆらぎ”の中で形成されるある悪循環パターンの反復に対して、どのような態度を現実主体(我)が取るかが、新しい秩序として次の自己意識の発達段階に移行する契機となるか、ある段階に固着したままになるのか、あるいはより低い段階の発達段階に退行していくかを決めていくのです。

「カオスの縁」では、たとえば怨念の塊のような陰のホロニカル的存在が執着の対象に対して、観察主体がどのような態度をとるかが、新しい秩序形成の契機となるか、停滞か、解体かの方向を決めていくことになるのです。