ホロニカル心理用語集

ホロニカル心理用語集

ホロニカル心理学は、心的症状や心的問題などの生きづらさを抱える人たちへの心的支援としてホロニカル・アプローチを研究していく中で、これまでの心理学概念のパラダイムから新しいパラダイムへのシフトへの必要性から自然に形成されてきました。
ここでは、ホロニカル心理学やホロニカル・アプローチで用いられる主要概念について説明します。

ホロニカル心理学で用いられる重要概念

1.こころの仕組みを理解する時
に用いられる主な概念
※ホロニカル心理学の心的構造論にあたります。

2.こころのあらわれ方を理解する時
に用いられる主な概念
※ホロニカル心理学の心的現象論にあたります。

3.発達の理解のための概念
※ホロニカル心理学の発達論にあたります。

4.ホロニカル・アプローチで活用される主な概念
※ホロニカル心理学の実戦論にあたります。

5.基礎資料

現実主体(我)

ホロニカル心理学では、自己と世界の出会いの不一致・一致の繰り返しの中で生起する意識作用の主体を「現実主体と呼びます。「私」の意識のことです。

従前の臨床心理学・精神医学などでいう「自我」に相当します。ホロニカル心理学的では、「自我」という概念は、西欧的な近代的自我のことを指し、日本人のいう「私」とも異なると考えています。

現実主体(我)は、常に存在しているようなものではなく、自己と世界の出会いの場で起滅しながら、非連続的に連続しているものと捉えます。

「私」という意識の一貫性をもたらしているものは、現実主体(我)ではなく、自己と世界が常に不一・不異の関係として相矛盾し対立しながらも同一の関係として立ち現れるからと考えられます。自我に同一性があるのではなく、自己に同一性があるといえます。

ホロニカル心理学では、現実主体(我)が観察主体となって自己や世界を観察する時の 志向性によって、 「内我」と「外我」 の2つを区別します。

※詳しくは、心理相談室こころ室長 定森恭司著の「ホロニカル・セラピー:内的世界と外的世界を共に扱う総合的アプローチ」(遠見書房,2015)、または、定森恭司・定森露子共著の「ホロニカル・アプローチ:統合的アプローチによる心理・社会的支援」(遠見書房,2019)を参照ください。