
外傷体験があまりに過酷の場合、むしろ強烈な情動や激しい感情を一切表出することすらできなくなります。強烈なエネルギーは、抑圧し続けたり、否認し続けるなどして、適切な自己の自己組織化を犠牲にしてでも、激しいエネルギーをブロックしてしまうのです。すると。身体は、常時、過緊張状態を余儀なくされ、頑固な凝りを鎧をまとったような状態になります。しかも、過緊張状態はあまりに常態化しているため、当の本人も、否認した情動や感情の激しい情動や感情すら忘却し、「なんでもなかったような態度」をとります。
そのため、いくらリラクゼーションを勧奨しても、一時的な効果を示すことがあっても、身体は再びブロックされた状態にたちまちのうちに戻ってしまいます。
この限界を乗り越え、適切な自己の自己組織化を抜本的に図るためには、一工夫が「いります。ホロニカル心理学のABCモデルでいえば、自己と世界の出あいが一致したリラックス時(ホロニカル体験時:B点)と、自己と世界の不一致による過緊張状態時(自己違和的体験時:A点)の身体運動感覚の差異の明確化を、適切な共創的俯瞰による観察主体((C点)から徹底的に図ることです。A点時とB点時の身体運動感覚の差異を、本人自身が実感・自覚する必要があるのです。A点時とB点時の差異を実感・自覚したのちに、本来は解放されるべき情動や感情をいかにブロックしてきたかについて実感・自覚を得ることは可能になるのです。適切な観察主体(C点)が布置する安全かつ安心できる場でこそ、ブロックしてきた激情を解放することが可能となり、適切な自己の自己組織化が可能になるのです。
そして、自己自身からは切り離してきた強烈な情動や激しい感情を附随する断片的自己を全体的自己に再統合化することが可能になるのです。苛酷な体験を自分自身の身におきた事実として受け止め、新しい自己の自己組織化のためのエネルギーとして活用できるようになるのです。