
人が自己を自己認識するときの様式には二つあります。
一つ目は、外我による自己認識です。時間軸上で自己を意味付けていくもので、認知や思考の力によって一貫性を保つ自伝的な自己を描き出そうとします。
二つ目は、内我による自己認識です。これは、「今・ここ」における瞬間的、非連続的に変化する自己を表現しようとします。これは身体的な自己を直覚するため、気分や感覚に左右されやすく、環境と密接な関係にある自己です。
自己イメージは、これら二つの自己認識の不一致と一致の間で形成されていきます。外我と内我の不一致の累積は、自己の適切な組織化の障害となります。
自己の適切な組織化を促進するためには、不一致を一致に向かわせる志向を持った外我と内我の対話軸の形成が必要になります。外我が内我に対して極端に強すぎる場合や逆に内我が強すぎる場合は、自己の適切な自己組織化が停滞したり、退行してしまいます。