“こころ”とは(78):自己と世界の統合

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“こころ”の最も重要な働きは,自己と世界一致を求める統合への希求性と思われます。自己と世界は絶え間なく不一致と一致を繰り返していますが,統合性への働きがあることで自己は世界との一致を求めて新たな自己を自己組織化させていくことができると考えられます。しかも人間の場合、自己は世界との関係がより一致する方向に自己自身の自己組織化を促進しようとするばかりではなく、世界を自己に一致するように変革しようとします。

本来,自己は身心一如的存在です。しかし,自己と世界の不一致をそのまま自己に反映して我と自己や身心が二元論的に分断されやすい傾向を持っています。しかしこうした分断も自己と世界の一致を求めていく“こころ”の働きによって統合化されていきます。もしも何らかの事情で“こころ”の統合化への働きが上手く機能しない場合は、物事のバランスが崩れたり、特定の面だけが優勢になったりして、分断と無秩序化が進行していくことになります。

“こころ”は、一見すると自律に存在しているように見える現象のすべてを関係性を持ったものとして一つに繋げる働きを持っていると考えられるのです。