
「見立て」とは、生きづらさを契機に被支援者と共により生きやすい人生の道を発見・創造するという、ホロニカル・アプローチの心理・社会的統合アプローチにおける核心を示す概念です。DSMやICDのように、あらかじめ操作的に定義された診断基準に基づく精神医学的診断や、アルゴリズムに基づく治療アセスメントとは異なり、ホロニカル・アプローチの見立ては、心理社会的立場から行われます。
心理社会的支援の見立てにおいては、被支援者の内的世界(内的対象関係)および外的世界(外的対象関係)における悪循環パターンを総合的にアセスメントします。そして、被支援者がより生きやすくなるために必要な新たな関係性を共に発見し、創造していく共同作業となります。
ホロニカル心理学は、自己と自己、そして自己と世界との相互関係に注目し、自己意識の発達過程で生じる外我・内我・直接体験を直観する自己(世界との不一致と一致を繰り返し体験する自己)の相互作用を探究します。
例えば、自己意識が第三の発達段階にある場合を考えてみます。この段階では、外我は理想的なホロニカル主体(理)を内在化し、内外が融合した現実的主体として現れ、内我は誇大的で万能的な内的現実主体という特性を帯びています。
同じ第三段階にも複数のタイプがあります。例えば、否定的かつ支配的なホロニカル主体(理)を一貫して内在化した外我が、誇大的な内我の価値を貶めつつ支配し続ける場合です。このパターンは、子ども時代に体罰や威圧、否定、罵声などの不適切な扱いを継続的に受けたケースに多く見られ、内的世界に破壊的衝動を抱えやすく、その憤怒が自己へ向かうことで自殺企図・未遂・念慮などのリスクを高める傾向があります。
一方で、同じように不適切な養育環境を経験しても、一貫した支配ではなく不安定な対応を受けた場合には、外我と内我の関係性は異なります。養育者が時に愛着対象として包み込みながら、時折拒否し見捨てる行為を繰り返すと、外我と内我は不安定な関係を内在化し、危機や不安に直面した際の対処パターンにも影響を及ぼします。
さらに、このタイプでは、内我の破壊衝動が外的世界へ向かうことがあり、双極性障害や境界性パーソナリティ障害と診断されるケースも見受けられます。
このように、ホロニカル・アプローチによる見立ては精神医学的診断と関連しながらも、あくまで診断を目的とするものではありません。被支援者の苦悩を契機として、より生きやすい人生の手掛かりを共に模索する心理・社会的悪循環パターンの見立てなのです。